全国部落史京都大会のお知らせ

2016年5月28日 土曜日

第22回全国部落史研究大会・京都大会のお知らせです。

2016年7月30日31日の両日、京都市地域・多文化交流ネットワークセンターにて開催されます。

小社の出版物の『差別とアイデンティティ』や『近世被差別民衆史の研究』の著者の先生方が参加されます。

◆第1日目[7月30日(土)]  受付 12:00~
全国部落史研究会第9回総会 12:30~13:30
第22回全国部落史研究大会開会行事 13:30~13:50
第22回全国部落史研究大会分科会 14:00~17:30
前近代史分科会 テーマ:中世から近世への移行期における芸能民
◆第1報告「近代以前・賤視の実像――芸能民はなぜ賤視されたか」
山路興造(世界人権問題研究センター)
◆第2報告「習合神道神事舞太夫の職分と集団形成」
橋本鶴人(東日本部落解放研究所)

近現代史分科会 テーマ:戦後の部落解放運動をめぐる諸問題――解放運動が直面した部落問題
◆第1報告:「和歌山『西川事件』の再検討――部落解放運動が直面した諸問題」
渡辺俊雄(全国部落史研究会)
◆第2報告:「高度経済成長初期における部落解放運動の特質――大阪の矢田・日之出地区を中心として」
朝治 武(大阪人権博物館)

第22回全国部落史研究大会研究交流会【事前申込必要】 18:30~20:30

◆第2日目[7月31日(日)]  受付 9:00~
第22回全国部落史研究大会全体講演 (講演+質疑)9:30~12:00
「わたしの部落史研究の回顧と展望」秋定嘉和 (池坊短期大学 名誉教授 全国部落史研究会 顧問)
コメンテーター 関口寛(四国大学)/手島一雄(立命館大学)
閉会行事12:00~

◆「京都市内人権ゆかりの地をめぐる」(定員40名) 13:00~16:30

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◆研究大会【会 員】 個人2,000 円、学生1,000 円
【非会員】 個人4,000 円(2,500 円)
学生3,000 円(1,000 円)
※( )内の金額は1日参加の場合の参加費
※参加費には報告書代が含まれます。
研究交流会    5,000 円
京都市人権ツアー 3,000 円(入館料・資料・ガイド代・弁当代等)

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◆前近代史分科会の内容
◆第1報告「近代以前・賤視の実像――芸能民はなぜ賤視されたか」
山路興造(世界人権問題研究センター)
慶応2 年(1866)3 月、北町奉行所に呼び出された江戸三座の役者は、街を往来するときに編笠を着用することを、あらためてきつく申し渡されている。近代以前の階層社会において、賤視を受けたのは、何も部落民だけではなかった。さまざまな職能民たちが差別されていたのである。河原乞食といわれた歌舞伎者はもちろん、江戸時代には幕府や各藩に抱えられ、扶持を受けた専門の能役者(猿楽者)は、盲人社会からも、永代出入りが許されない者の筆頭に挙げられる身分として位置づけられている。現在とは真逆な職能民たちの実態を、芸能民を中心に紐解いてみたい。
◆第2報告「習合神道神事舞太夫の職分と集団形成」橋本鶴人(東日本部落解放研究会)
習合神道神事舞太夫( 以下「神事舞太夫」とする。) は、幕府に公認された支配頭幸松家、後に田村家(「習合家」とも称する)により、職分(「家職」)を保障する職札や装束を受けた、関八州・甲州・信州・会津に存在した地域的な「神職」である。中世の「声聞師」や「舞々」につながる人々の系譜を有する集団と思われるが、近世には大きく変化し、大黒像札の配札や祈祷などを、その妻女は梓神子として口寄などの宗教活動を行っていた。
吉田家・白川家支配下の神職、土御門家支配下の陰陽師、攝州西宮社支配下の夷願人、聖護院・三宝院支配下の修験など他の宗教者と神事舞太夫の間に、職分や装束をめぐる競合や争論が発生し、17 世紀後半から18世紀前半にかけて職分が幕府裁許により整理・差別化され、神事舞太夫固有の集団が形成されたことが先行研究により明らかにされてきた。
本報告ではこれらの諸成果を踏まえて、武州・相州・信州の事例を中心にして、神事舞太夫の存在形態を明らかにしたい。

◆近現代史分科会の内容
◆第1報告:「和歌山『西川事件』の再検討――部落解放運動が直面した諸問題」
渡辺俊雄(全国部落史研究会)
◆第2報告:「高度経済成長初期における部落解放運動の特質――大阪の矢田・日之出地区を中心として」
朝治 武(大阪人権博物館)
第2次世界大戦での日本の敗北から、すでに70 年が過ぎた。戦後部落史の研究課題としては、日本国憲法の制定や高度経済成長がもたらしたもの、部落解放運動や同和行政、同和教育などの個別事例の研究、それらが日本社会のなかで果たした役割、戦前と戦後の継承と断絶の検討など、さまざまな課題がある。
昨年は、同和対策審議会答申から50 年に当たった。本分科会では、高度経済成長期に焦点を当てて、答申がまとめられるにいたる過程での全日本同和対策協議会や全日本同和会の動き、奈良県における部落の状況と政策形成について、報告を受けた。
本年は、部落解放全国委員会が結成されて70 年にあたる。戦後の部落解放運動の再検討を通して、戦後の部落解放運動が直面した部落問題、部落差別の実相を明らかにしたい。

◆全体講演の内容
「わたしの部落史研究の回顧と展望」秋定嘉和(池坊短期大学 名誉教授 全国部落史研究会 顧問)
近代部落史研究をリードしてきた秋定嘉和氏が、自らの研究を振り返り、今後の研究の展望を探る。

◆「京都市内人権ゆかりの地をめぐる」(人権ツアー) 13:30 ~ 16:30(予定)

 

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