中村哲夫著

複雑にからみ合う日中近代史の糸で結ばれた中国の革命家・孫文と神戸の華僑・呉錦堂の関係を解き明かす。日中近代史に関心をもつ人たちへおすすめの書。

★日本図書館協会選定図書

定価　本体1,806円＋税

◆目次紹介

プロローグ　移情閣

孫文の大正２年の来日
一枚の写真／孫文の来日の背景／桂太郎との会談／中国興業公司の設立計画／孫文、失意の亡命

呉錦堂と三井財閥
呉錦堂の故郷／呉錦堂の鐘紡への経営参加／東亜同文会と神戸華僑／東亜同文会と三井財閥

孫文と東亜同文会
孫文の原像／李鴻章への上書／最初の蜂起―広州・香港／孫文と東亜同文会／劉学詢の訪日旅行／宗方小太郎の日記／近衛篤麿の孫文評

上海の商紳たちの台頭
新政の時代へ／商会の台頭―商紳たち／都市・上海の勃興――寧波商人の拠点／虞洽卿と呉錦堂

中国同盟会の結成と孫文
留日学生の革命組織／愛国学社から光復会へ／孫文と留日学生

革命の胎動
世論集約の機構／民族利権の回収運動の高まり／武昌起義の知らせ／上海の光復と寧波幇

孫文、臨時大統領に就任
南京臨時政府の樹立へ／孫文の対日外交／孫文の帰国／三井財閥と辛亥革命／漢冶萍公司をめぐる借款交渉

エピローグ

謝辞

人名索引