身分を越える――差別・アイデンティティの歴史的研究

立命館大学教授

畑中敏之 著

定価:本体価格8,000円+税

2014年12月10日発刊

 

身分とは、職業的・地域的に共通の特徴を有した社会的な(または出自による)人間存在のあり方、つまり〈身分=アイデンティティ〉である。著者は、身分を肯定も否定もしない、ただ〈越える〉対象と考える。

 

★目次紹介★

序章 身分を越える――歴史における身分・差別・アイデンティティ

第一節 身分とは何か

第二節 江戸時代の身分

第三節 身分を越える

 

第一章 「穢多狩」について――用語としての再検討

第一節 用語としての「穢多狩」研究史

第二節 史料用語「穢多狩」の事例検討

第三節 用語「穢多狩」をめぐる諸問題

 

第二章 「身分引上」と「醜名除去」――「弾内記身分引上一件」の再検討

第一節 弾左衛門と直属家来の「身分引上」

第二節 弾左衛門配下の「醜名除去」

第三節 明治新政府と弾左衛門

 

第三章 身分呼称と歴史認識の再検討――「二字之醜名」をめぐって

第一節 「解放令」と美作血税一揆

第二節 「元穢多」以前――「穢多」とは誰のことか

第三節 「旧穢多」以後――近代部落問題と「特殊部落」

 

第四章 「五寸釘寅吉」物語と部落問題

第一節 「五寸釘寅吉」物語の誕生と展開

第二節 戦後の「五寸釘寅吉」物語

第三節 「五寸釘寅吉」物語と「部落民」アイデンティティ

 

第五章 「爆弾三勇士」をめぐる風評と部落問題

第一節 廟行鎮一九三二年二月二二日

第二節 物語「爆弾三勇士」の成立

第三節 「爆弾三勇士」をめぐる風評

第四節 「爆弾三勇士」とアイデンティティ

 

第六章 歴史における〈身分〉をどう教えるか――社会科教科書記述の分析を中心に

第一節 社会科教科書における「身分」記述

第二節 身分とは何か

第三節 〈身分〉をどう教えるか

補論一 塚田孝『近世身分制と周縁社会』を読む――「周縁」をつくり出す視線

補論二 『近世の身分的周縁(全六巻)』を読む――身分史研究における立場・主体性

補論三 木下光生『近世三昧聖と葬送文化』を読む

  • 判型 : A5
  • 頁数 : 325頁
  • ISBN : 978-4-907244-20-0

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