人権の思想と教育の現在

曽和信一著

現代社会における人権思想とは―。変貌を遂げる21世紀、民族、宗教、言語などの文化的差異を承認しつつ、自立と共生の社会の創出に向けて、人権思想をどのように構築するか。多文化主義の具体例のなかで考える。

★日本図書館協会選定図書

本体1900円+税

 

◆目次紹介

まえがき 『となりのトトロ』から見る死者と生者との共生

第1章 人権の思想と教育の歴史の現在
―人権思想は近代を超えられるか―

はじめに 「人の心の中に平和のとりでを築く」ために
―人権思想の三つの問題について―

第1節 人権思想の歴史と現在を考える
1-1 人権とは何か
1-2 属性の権利としての自由権的基本権
1-3 債権の権利としての社会権的生存権
1-4 国際的人権としての連帯の権利
1-5 人権思想の課題を考える

第2節 人権教育の現在を考える
2-1 人権教育にとっての教育とは何か
2-2 人権教育とは何かを考える

第3節 人権思想は近代を超えられるか
3-1 近代と現代をどのように捉えるか
3-2 自然と人間の共生関係と人権思想

 

第2章 多文化主義とその教育の歴史と現在

第1節 多文化主義と多文化教育を考える
1-1 文明、その光と影をどう捉えるか
1-2 文化をどう捉えるか
1-3 多文化主義とは何か
1-4 多文化教育を考える

第2節 アメリカ合衆国における多文化主義の歴史と現在
はじめに―『アンクル・トムの小屋』から出立して
2-1 「私には夢がある」
2-2 「人種のるつぼ」から「サラダ・ボウル」へ
2-3 多文化主義とその教育の現在

第3節 戦略としての多文化主義政策を採るモザイク国家カナダ
はじめに―『赤毛のアン』を生み育んだ故郷から
3-1 多文化主義を標榜するカナダの現状
3-2 多文化主義政策にいたるカナダの歴史から読みとるもの
3-3 カナダにおける多文化主義政策の課題

第4節 多文化主義の岐路にたつオーストラリアの現在
はじめに―シドニー・オリンピックで問われたもの
4-1 オーストラリアにおける新白豪主義の脅威
4-2 悲しきブーメラン―盗まれた世代のアイデンティティを取り戻すために
4-3 白豪主義政策の修正から終焉への歴史
4-4 多文化主義と新白豪主義のはざまで

第5節 アオテアロアのたなびくアジア・太平洋国家としてのニュージーランドの多文化教育
はじめに―アオテアロアのたなびくニュージーランド
5-1 マオリとパケハの桎梏の中で
5-2 ニュージーランドにおける多文化教育
5-3 多民族多文化が共生する社会の実現をめざして

  • 判型 : 四六判・並製
  • 頁数 : 216頁
  • ISBN : 978-4-900590-87-8

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