すべてはここから始まった。三石善吉著『武器なき闘い「アラブの春」』

2015年3月31日 火曜日

もちろん、現在の状況がアラブの春にすべて責任があるというのではない。なにかが間違っているというのでもない。現在の状況や経過を踏まえて我々は未来をより平和な状態に非暴力で取り組むべきであると考えなければならない。

アラブの春が変えようとしたものは、独裁による暴力支配である。そして、いま再び暴力支配が牙をむき、際限のない報復の連鎖にはまっていこうとしている。

このことがどれほどの不幸をもたらし、そのトンネルの闇の向こうに明りがないことは歴史が明らかにしている。

著者である三石氏は、アラブの春を単なる一時的な政治的イベントととらえず、重く長く、そして粘り強く続けられなければならない非暴力運動として描き出している。

それらが、まさに非暴力革命であったことをしっかりと認識し、現在の混沌を抜け出ることも非暴力によるべきであると、氏は主張される。

暴力の連鎖から逃れるのは、非暴力しかない。

本書の主張するところは単純明快にして重い。

非暴力による平和の政治学を学ぼうとする人には必読の書である!

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