小田康徳著『歴史に灯りを』の装丁
2014年4月1日 火曜日
本書の装丁は、奥付にありますように江竜陽子さんにおねがいしました。編集をしてくれた小山さん(bookpocket)とチームで弊社の本を作ってくれています。
本を作るとき、さまざまなケースが考えられますが、ふつうは、本文の内容が決まり始めたころに装丁を依頼するようです。
弊社ではだいたい再校ゲラもどしがあって、三校が出る頃には装丁案が出てきます。もちろん、ケースバイケースですが、本書もそれくらいのタイミングでした。
本書のタイトルもそのころに決まりました。
『歴史に灯りを』
著者の格闘してこられた過程で作られたさまざまな文章を収める本書は、まさに歴史家としての著者のやってきたことややれなかったことの記録です。
歩んでこられて、そのうえで、少しは歴史をてらす灯りになれただろうかという自問への著者自身のこたえなのです。
編集「なら、燈台か常夜灯というかんじですかね」
著者「いやぁ、そんな灯りはおこがましい。闇が深い分すこしは明るさがわかるかなという感じでお願いします」
編集「わかりました」
ということで、濃紺に白抜きの文字だけ、さらに、灯にすこし黄色をにじませました。
そして、闇の深さを演出するために上部2~3センチのところに墨をちらしています。
闇夜にぼんやりと光る灯。でも闇が深い分、同じ道を歩んでくる者の目印になるだろうというのが著者のお気持ちのようです。