夢を追って~目次の謎

2012年12月14日 金曜日

巻数名と節の謎について

『夢を追って―戦国武将・中川瀬兵衛清秀』の巻と節は、難しい漢字が使われています。
たとえば、第2巻第4節は、口業の巻・卯の節(くごうのまき・うのせつ)となっています。
巻数名には、「業」が使われています。「業」とは仏教の言葉で、「ごう」と読み、「行い」・「行為」を意味します。そのうち、身体がかかわる行為を身業、言葉を発する行為を口業、そしてこころの行為(こころの動き)を意業と呼びます。つまり、これら三つの業・三業(さんごう)は人間のすべての行い・行為を意味しています。
本書では、仏教上の正確な意味で巻の名称にしたわけではありませんが、ちょうど、私の子供のころの体験を書いたところを「身業」とし、和尚の中川清秀一代記の講釈を「口業」、そして、大岩山砦にタイムスリップするのは、私の想像の「意業」としました。
そして、その下の節は「干支」(えと)でならんでいます。皆さんがたの誕生した年にそれぞれあてられていますね。
子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥の十二支が、ちょうど、身業の巻から意業の巻まで、6節・9節・12節とならんでいます。
現在の私たちには序数(順序を表す数字)としては不便な文字ですが、伝統的にさまざまな数え方があったということに気づいてくれたらと思います。

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